自費出版も納本対象です
「納本制度」というものをご存知でしょうか。
出版物をその国の責任ある公的機関に納入することを発行者に義務づける制度のことで、日本では、国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)により、国内で発行されたすべての出版物を国立国会図書館に納入することを発行者に義務付けています。
この法律により、出版社、新聞社、レコード・映像制作会社はもとより、企業、学術団体、研究機関など全ての出版物発行者は、発行した出版物を納本しなければなりません。正当な理由なく納本しなかった場合には、出版物の小売価格の5倍までの過料に処するという罰則も定められています。
「出版物」とは、頒布を目的として発行されたすべての資料で、図書、雑誌、新聞のほかに小冊子、楽譜、地図、点字資料、CD、DVD、ブルーレイ、レコードなどの電子出版物も含まれます。出版の形態が商業出版ではなく、自費出版であっても基本的には出版物であれば納本の対象となります。ISBNをつけていて流通目的の自費出版であれば、なおさら納本は必須になります。
ちなみに日本の納本制度は、無償で納本することを義務付けしているわけではなく、納本した出版物の小売価格の5割と送料分が「代償金」として交付される仕組みになっています。「代償金」はもらわずに出版物を寄贈扱いすることもできます。
国会図書館に納本すると、書誌データが「全国書誌」に収録されて国立国会図書館オンラインや国立国会図書館サーチで全国どこからでも出版物が検索できるようになります。
国立国会図書館の利用方法
国立国会図書館に納本または寄贈された資料は、東京本館、関西館(京都府)、国際子ども図書館に分散して配置されています。
事前に、お目当ての本がどこに所蔵されてるか国立国会図書館オンラインで確認してからお出かけすることをおすすめします。
東京本館と関西館を利用できるのは原則満18歳以上となっており、資料閲覧するには、氏名、生年月日、現住所が確認できる本人確認書類を提出の上、利用者登録をしなければなりません。子供を同伴しての入館はできません。
また、一般の図書館とは異なり、個人への館外貸し出しはしていません。一部の資料については、近くの図書館に対して貸し出しを行い、その図書館の中で利用できる図書館間貸出サービスが利用できるものもあります。また、資料の複写(コピー)を自分自身ですることはできません。資料と複写申込書を持って、複写カウンターで申し込みをすると、著作権法の範囲内で、有償で専門のスタッフが対応してくれます。
休館日は「日曜日、国民の祝日・休日、年末年始、毎月第三水曜日」で、開館時間は9時30分~18時になっています。※臨時を除く