自費出版の出版社を選ぶ5つのポイント

これから初めて自費出版で本をつくろうと思い立ったときに、一体どこの出版社にお願いすればいいのかわからないと思います。
いまはネットで出版社一覧などから多くの出版社のホームページを見つけることはできますが、自分に合う出版社をそこから絞り込むのは難しいと思います。そこで、なにを判断基準にすればいいのか、自費出版の出版社を選ぶためのポイントをまとめましたので、参考にしてみてください。

まずは予算を決めておく

後にご紹介するポイントをしっかり理解してもタダで出版はできません、出版するにはお金がかかります。出版するにあたって、予め自分が今回つくる本に負担できる予算(金額の幅)を決めておくことをお勧めします。
例えば、「100~150万円くらいなら出せる」とか「サポートを重視したいので300万円までなら捻出できる」といった大まかな幅や感覚で構わないので、自分の思いや気持ちを整理しつつ、予算を考えてみてください。

出版社を選ぶポイントは重要ですが、出版社によって格安をウリにしているところもあれば、印刷会社が出版まで手掛けているが編集やデザインは手薄なところ、大手出版社で自費出版対応しているところなど多様で費用もピンきりです。

「出版費用はいくらかかってもいいから出版社に全て丸投げしてお願いしたい」という超リッチな方は、名のある大手で自費出版の形態にも対応している会社にご相談してみてください。
費用はかかりますが、ネームバリューのある出版社の名前で出版できますし、原稿作成から納品まで一連の工程をしっかしとフォローしてもらえます。
そういう方は事前に自費出版についての情報収集も知識もそれほど必要ないので、ポイントはさっと目を通すくらいでもいいと思います。

逆に、予算があまりなくできるだけ安く本を作りたい方は、サポートや本の質、冊数は二の次に考えて、激安出版社の中から選ぶしかありません。
そういう方は、ご紹介するポイントを重視すればするほどマッチする出版社は見つかりません。
しかし、安心してください。別の言い方をすれば、その人はこの時点で激安がウリの出版社一本に絞り込めているわけです。

上述したのは極端な例ですが、そうではなく「自費出版は初めてで、編集や校正もしっかりしてほしい、印刷や製本の質も気になる、装丁も凝りたい、冊数もある程度は作りたい、流通も考えている」などの要望があって、相応の予算を確保できるのであれば、ご紹介する5つのポイントを参考にしていただき、自分にマッチする出版社の選定に役立ててもらえればと思います。

出版社のホームページを色々見ておく

まずは準備段階として、とにかく手当たり次第、出版社のホームページをみてみることをおすすめします。出版社にもそれぞれ特色があり、一つの専門ジャンルに特化している会社もあれば、小説やエッセイなどの比率が高い会社、幅広いジャンルを網羅している会社もあります。電子書籍だけしか対応してない会社もあります。

単に「自費出版 出版社」と検索して上位にでてくるような会社を優先的に見ていくのではなく、まずはどんな出版社がどのような本をつくっていて、どのようなことをしているのかを知ることで、自分が、なにに重点を置きたいのかが多少みえてくると思います。

また最初から出版社を決め打ちしてしまうのではなく、相談の候補にしたいと思う出版社をこの時点でいくつか選定しておくと後々の絞り込みが楽になります。この時点では気楽に感覚と直感で「なんかいいな」「しっかり対応してくれそうだな」「自費出版もやってるな」レベルの選定で構いません。

さて、やっと本題になりますが、次からが出版社を選ぶための5つのポイントになります。

1.出版社が得意としているジャンルか

ある程度候補にしたい出版社を見つけたら、発行されている作品をみて、自分が出版しようとしている本のジャンルを取り扱ってるかを確認してください。特に学術書・専門書を作ろうとお考えならば、それ専門の出版社を一つの候補にすることをおすすめします。

当然ながら担当者や編集者も専門知識をもっています。細かい相談や的確な校正、最適なページデザインなどのアドバイスを受けられるので、そのジャンルにふさわしい本が出来上がります。

2.専任で担当者がつくか

だれでも初めてすることは不安な気持ちになるもので、初めての執筆や出版も同じです。出版の専門用語も分からない人が多いはずです。
そんな状況でもわからないことがあれば、気軽に相談でき、こちらの要望をくみとってくれる担当者がいると非常に心強いものです。それなりの費用を出すのであれば、入稿から製本、流通まで一人の担当者が専任でつく出版社をおすすめします。

ただ、担当者も人間なので、フィーリングが合わない人もいるでしょうし、中にはやたらと自社の良い点ばかりをアピールして、他社の批判をする人もいるでしょう。契約を急がせるような人や「お任せしてくれればなんでもやります」的な調子のいいことばかり言う人に出くわすかもしれません。そんな場合は、後々トラブルになることが容易に想像できます。その会社とは縁がなかったものとして回避するほうが得策でしょう。

3.編集や校正をしてもらえるか

出来上がった原稿を自分以外の人が読むと、気が付かない誤字・脱字が見つかることがよくあります。
また、文章が読みにくかったり、表現に違和感があったり、文体がばらばらになっていることも多く見受けられます。
プロが入って編集、校正することによって、最善なものに修正またはアドバイスしてもらえるので、より完成度の高い作品にするためには、欠かせない重要なポイントです。

編集、校正には経験とスキルが必要で出版の肝ともいえる工程ですが、時間もかかるため、安価な出版社の場合は回数制限や簡易的に済ませたりする場合もあります。どの程度対応してもらえるのかは事前に確認しておくことをおすすめします。

4.見積書が具体的か

見積書を契約前に出してもらえるかを確認してください。見積書に記載されているもの以外に追加料金がかかるのか、かかる場合は具体的にどのような時に発生して、いくらかかるのか。これらをしっかりと説明、提示してもらえる出版社をおすすめします。

標準価格となっていて一見すると安価に見えるが、実は完全原稿が条件だったり、校正は1回までで、2回目以降はオプション料金になっている場合もあります。
他社と同じ条件にして、計算すると、なんだかんだと結果割高になることがあるのでご注意ください。

5.評判や口コミはどうか

念のための最終チェックです。「出版社名 評判」「出版社名 口コミ」などで検索してみてください。日ごろから著者に寄り添って仕事をしている会社であれば、いい評判の書き込みが見つかるかもしれません。逆に過去に問題を起こしている出版社は、裁判沙汰になっていたり、トラブルのネタが掲載されていることがあります。

書かれていることが正しいかどうかの判断は皆様次第ですが、今後もしそのトラブルのあった出版社と話を進めていくことになりそうならば、担当者に単刀直入に経緯や真意を聞いて不安を解消したうえで次のステップに進むことをおすすめします。話を聞いてもなにか不安が残るのであれば別の出版社をあたりましょう。

まとめ

5つのチェックポイントをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。これら以外にもチェックする点はありますが、まずはこれらの大きな5つのポイントを参考にして、最良のパートナーとなる出版社をみつけていただけたら幸いです。

最後に出版社選びのポイントのおさらいです。

  • 出版社が得意としているジャンル
  • 専任で担当者がつく
  • 編集や校正をしてもらえる
  • 見積書が具体的
  • 評判や口コミ