印税とはそもそも何?

印税という言葉は聞いたあるけど一体なんなのかはっきりとわからない人も多いのではないでしょうか。本に関して言えば、出版社が著者に支払う著作権の使用料のことです。著作権所有者である著者に対して一定の対価として支払われるものです。印税には、発行部数をベースにした「発行印税」と実売部数をベースにした「売上印税」の2種類があります。

1.発行印税

売上にかかわらず、初回に発行した部数に対して印税が支払われます。印刷した部数の印税が保証されているため、著者に有利な契約です。本が売れなかった場合には、出版社がリスクを負う形になります。

2.売上印税

売れた部数に応じて印税が支払われます。著者は売れた分しか印税が得られないので基本的には不利な契約です。ただし、発行印税に比べて印税率が高めに設定される場合もあるため売れる本であれば一概に不利だとも言えません。


通常、印税額は「本の定価×発行部数or売上部数×印税率(%)」で計算されます。
当然ならが、どちらのタイプで契約するかで受け取れる印税は大きく変わってきます。 売上印税契約の場合、売れなければ著者には印税が入ってこないということになるため、こうしたリスクをカバーするため「初版部数保証」(初版本の部数については、一定の印税を保証する)というものが別途用意されている場合もあります。
ここまで読むと契約するなら発行印税を選びたいと思う著者が多いかと思いますが どちらのタイプを採用しているかは出版社によって異なるため、問い合わせした際に確認しておくのがいいでしょう。後々になって売上印税タイプだとわかったから、契約タイプの変更をお願いしても、後の祭りになるでしょう。

自費出版でも印税はもらえるの?

ここからが重要です。ここまで読むと出版したら印税は誰でももらえるようにも思えますが、純粋な自費出版の場合で印税がもらえるケースは極稀です。(ないわけではありません)
出版社によって“自費出版”の定義が異なるため印税を設定しているケースもあります。通常、印税が支払われるのは「商業出版(企画出版)」と「共同出版」の場合です。

純粋な自費出版の場合には、著者がリスクを負って出版費用を全額負担する代わりに、本の売上金から経費を除いた分は、著者が全て受け取ることができます。本が売れれば、売れただけ著者に還元されるわけです。ですので、自費出版本では著者が負担して出版した部数に対しては、すべてが著者の所有物になるので印税そのものが発生しません。

主に印税が支払われるのは、出版社が費用を負担して作る商業出版(企画出版)の場合です。出版社がこの本は売れると踏んで、自らコストを負担して本を作り、販売して利益を得る代わりに、著者には著作権使用料(印税)を対価として支払うのです。いくら出版社に本を作ってもらったからと言って、著者が原稿を寄付するわけではありませんので。

自費出版をうたっている出版社でも純粋な自費出版のみを生業としているところもあれば、「共同出版」という“商業出版と自費出版の中間的な出版形態”を自費出版として扱っているところもあります。どちらが良い悪いということではありませんが、後者の場合には、印税が設定されている場合もあります。

印税の料率ってどれくらい?

商業出版での話になりますが、著者がもらえる印税は、本の定価の5~15%。もちろん著者がベストセラー作家かどうか、著名人かどうか、原稿の質(コンテンツの価値)によって印税の率は変わってきます。これよりも低い場合ももちろんあります。
仮に印税率が10%だった場合、定価1,000円の本が5万部売れたとしら、印税は500万円になります。
あくまで相当数の本が売れた場合の話ですが・・・

ちなみに出版社はどれくらい利益がでるかというと。
商業出版の場合には、出版社がが費用を負担していますが、本が売れた場合は一番利益を得ることができます。本が売れれば売れるほど利益率はあがります。著者も出版社も万々歳です。 上記の例であれば、売上は5000万円ですが、この規模の売上であれば出版社が負担した著者への原稿料や印税、デザイナーなどへの制作費、印刷費、広告費、書店取次手数料、諸経費などを差し引いて売上の20%~40%近くは利益が出てていると思います。出版社の規模によって多少変わってくるとは思いますが、概ねこの範囲といったところかと思います。出版社も営利企業ですから利益を出すのは当然です。

逆に本の売れ行きが想定してた数をはるかに下回った場合は、利益どころかマイナスになってしまうなんてこともあります。商業出版をしている出版社はリスクを背負って結果がついてくるわけで、まさに蓋を開けてみてはじめてわかることになります。それゆえに大手出版社はお抱えの売れっ子の作家がいる、著名人に原稿を書いてもらうことが多いのです。持ち込み企画なら売れる本かどうかを見極めて、なんどもなんども編集、校正してやっと出版までこぎつけているわけです。これが商業出版は自費出版に比べて、ハードルが高いと言われている大きな理由です。