フォントにこだわる、新書体を発表 モリサワ

自費出版での出版を検討されているなら、フォントにこだわってみるというのも一興です。費用のことはさておき、基本的には自由に作れるのが自費出版の魅力。表紙のタイトルや見出しのフォント、ジャンルによっては本文そのものを今回ご紹介するようなフォントにすることでオリジナリティを演出することも本づくりの楽しみの一つです。

フォントの制作販売を手がけるモリサワが、今年の秋リリースする全64書体を発表。日本語との親和性を重視した欧文書体や多言語書体もラインナップに加わった。 今回発表された中で、いくつか代表的なフォントをご紹介します。

オールドスタイルの明朝体の「しまなみ」はモリサワタイプデザインコンペティション2016より選出。毛筆のニュアンスを取り入れたエレメントが特徴で、情緒的な表現ができる。

現代的なセリフ書体の「Vonk」はデザインコンペティション2016欧文部門でモリサワ賞金賞・明石賞を同時受賞した。柔らかさと鋭さが混在するユニークなエレメントが特徴。

力強い宋朝体「かもめ龍爪(りゅうそう)」は中国の儒教経典『周礼』を元に復刻した「龍爪」と、内閣印刷局の『内閣印刷局七十年史』を元に復刻した和字書体「かもめ」を組み合わせた書体。

清朝体(軟体楷書体)の「さくらぎ蛍雪」は清王朝の時代に揚州詩局の『欽定全唐文』の文字を復刻した「蛍雪」と、文部省『尋常小學修身書 巻三』から復刻した和字書体「さくらぎ」を組み合わせた書体。端正な表情の中に優しさと清楚な雰囲気を感じさせる。

そのほかに、見出し用書体「秀英にじみ丸ゴシック」は活版印刷のインクのにじみまでを表現した丸ゴシック体ならではの優しさが感じられる。

これらの新64書体は秋以降に対象製品を通じて利用できるようになる。ただ、これから発売されるフォントなので出版社によっては採用されない場合も。そんなときは別のお気に入りのフォントを探してみるのもありですね。