書籍全文検索の登場は朗報か!?
これまでは書籍をデータ化する際には、原則として著作権者の許諾が必要だった。来年1月に施行される改正著作権法で、書籍の全文検索サービスに向けて著作者の許諾なしに書籍の内容をデータ化してサーバにため込めるようになる。これにより本文に書かれた言葉をキーワードで検索できるようになり、書籍を探しやすくなる。本が売れなくなるなどの懸念に配慮して閲覧できる部分を検索語句の前後数行に限定するなどの措置も考えられている。
著作権者の不利益になるという意見も一方ではあるが、出版社にとっても著者にとってもこれはビッグチャンスだと思っている。
読者は自分がほしい情報が載っている本をいま以上に見つけやすくなる。本文から検索できれば今までは気付かれなかった書籍も購入候補にあがる。そしてオンラインでその書籍が即購入できる。非常に理にかなっている。
この変化は自費出版の書籍には大きな転換期でもある。こと宣伝や販売に関して非常に苦労する自費出版だが、この書籍全文検索サービスが広がり、あらゆる書籍が検索できるようになれば、本の認知、宣伝、販売に一役かってくれるはずである。書籍のテキストデータ自体に大手出版社の本と小さな出版社の自費出版本とで優越はなく、このサービスの中では対等である。
読者が必要とする情報がその本にあれば、自費出版だろうと関係なく、購入してもらえるチャンスが出でくる。これからは紙の本だけではなく電子書籍も同時に公開、販売していくことが求められる。
アメリカでは既にGoogleが全文検索サービスを開始している。日本でもGoogleブックスを使えば、一部の書籍は中身も閲覧できる。これが本格的に始まればAmazonや楽天も追随してくるはずで、今後の動向に目が離せない。